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Q 残業代が出てないのですが、どうしたら良いでしょうか?

 私は、自治体で臨床心理士として働いていますが、所定の労働時間が明確ではなく、採用の面接でも「5時には終わりません」と言われ、業務中も「5時過ぎたけど残ってね」と言われます。業務自体が5時には終わらないのが当たり前の職場です。月に1回や2回、3回ほどの出勤なので、記録、紹介状の作成など、どうしてもその日のうちに終わらせてしまわなければならない事情もあるのでサービス残業が当たり前になっています。交通費も出らおらず、残業手当などまったくありません。今まで雇用契約書もありませんでした。今年初めて依頼文が出ましたが勤務時間については明記されていません。どうしたらいいですか?

A 自治体での仕事であっても、残業代は払われなければなりません。

通常であれば、所定の労働時間が決まっており、その時間を超えた場合にはその分の残業代が支払われます。今回のケースの場合、雇用契約書もなく、「依頼文」なるものが交付されているとのことですが、まずは、任用形態(自治体の場合、労働契約ではなく、任用という言葉を使います)について確認する必要があるでしょう。

自治体の非正規職員の場合、任用形態は主に3つあります。「会計年度任用職員」「特別職非常勤」「臨時的非常勤職員」の3種類です。それぞれ、以下のように区別があります。

「会計年度任用職員」

会計年度任用職員は地方公務員法第22条の2の規定に基づき任用される非常勤職員です。常勤の職員よりも月や週の労働時間が短い、いわゆる非正規公務員です。心理職の場合、スクールカウンセラーや各種相談員の職などが会計年度任用職員です。また、公立保育園での非正規の保育職や学童の非正規の指導員なども会計年度任用職員として働いています。そして、会計年度任用職員は任期(いわゆる雇用期間)は1年以内とされています。

「特別職非常勤」

医師系(学校医や産業医)や顧問(弁護士や大学教授など)、スポーツ推進委員や青少年委員など委員としての仕事等をする方が特別職非常勤として任用されます。専門的な本業をもちつつ、自治体から依頼を受けるイメージです。

「臨時職員」

臨時職員は正規職員が産休・育休などで一時的に休職している場合に、その代替として期間限定で任用される職です。また、そのほかにも臨時的に必要とされる場合に任用されます。

このように、非正規職員として自治体で任用される場合は上記の3種類があり、それぞれ残業代が発生した場合は支払われなければなりません。

​ただし、業務委託契約などの場合は、労働契約ではないため、労働基準法が適用されず、残業代が法的にも出ない可能性があります。

重要なのは、どのような契約になっているかです。契約形態および契約内容を十分に把握することが大切です。労働時間や契約内容に関するやりとりの記録や書面などは保存をするようにしてください。​それらをもとに我々のような労働組合に相談することをお勧めします。

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