2024年12月1日と12月8日の二日間に渡って、令和6年度都SCの採用面接が行われました。
心理職ユニオンが把握している限りにおいて、今回の面接では威圧的で答えようのない質問をねちねちとしつこく繰り返すなど、いわゆる圧迫面接と思われるような面接を行う面接官はいなかったようです。
昨年の面接においてもすべて圧迫面接だったわけではなく、多くの面接官の中に一部そのような面接官が存在しただけのようです。が、ユニオンとしては理不尽に経験あるSCを不採用にしたことだけでなく、圧迫面接が行われたことも問題視し、都教委に抗議してきました。
そして、今年の採用面接・・・
都教委がSC採用に際し圧迫面接を控えてくださるようになったのであれば、喜ばしいことです。
心理職ユニオンの影響があったのか、なかったのかはわかりません。
でも、声を上げなければ、何も変わらなかったかもしれません。
いま、ユニオンは東京都を相手に裁判を行っています。
原告の方々は、これからの心理職や、心理職の支援を要する方々のために勇気をだして立ち上がり声をあげてくれました。
第一回の裁判が終わったあと、弁護団の方から「今後、しれっといろいろ変わっていくと思います」というお言葉をいただきました。
東京都は絶対にユニオンの影響を認めようとしないと思いますが、考えてみればこれまでもしれっと変わったことはあります。おそらく、今後もしれっと変わっていくことがあると思います。ユニオンとして、都教委の動向はよーく見守らせていただきたいと思っています。
ところで、心理職ユニオンは都SCの労働問題だけを扱っているわけではありません。都SCは時給が高いとよく指摘されますが、他の領域の心理職はどうでしょうか。インターネットでサラっと心理士の求人情報を検索してみました。
某福祉施設は常勤で未就学児~小学生を対象にしたアセスメント、保育所等訪問支援、研修会講師などの業務で月給約21万円~。某医療機関は特定の難病患者対象の心理支援業務で時給1500円。某EAPは時給1500円。某デイサービスは月給18.8万円。
都SC以外の心理士の賃金は、低過ぎるものが多いと思います。
経験を重ねてくると、培ってきた人脈からそれなりの収入が得られる仕事を紹介してもらえ、こちらに挙げたものより好待遇の仕事もあるとは思いますが、これでよいのでしょうか。
私自身、医療機関で働く時間を多く持ちたいと思っていたのですが、医療機関だけでは収入が低すぎて、都SCの仕事を始めました。
もし、都SC以外の仕事でも相応の収入が得られるならば、都SC大量雇止めがここまで多くのSCに経済的ダメージを与えることが防げたかもしれないと思います。
心理職とはどのような専門性を持ち、どれくらいの時給が妥当で、どのような雇用形態が良いのか。さまざまな領域で、求められる役割も職場の数だけあるような心理職の仕事に関し、誰もが納得するような基準を作っていくのは難しいかもしれません。
さりながら、私たちは真剣にこの問題に向き合い、自分が食べていくのに不安を持ちながら働かざるを得ないような職種ではなく、専門性に誇りを持って社会の中で活躍できる職種となるように、活動していきたいと考えています。
これまで、ユニオンの活動について、多様な立場の方々から共感や応援のメッセージをいただきました。心から感謝申し上げます。
引き続き、あたたかく見守っていただけましたら幸甚に存じます。
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