萩生田議員からの回答
2月7日付「萩生田議員への質問状」に対して以下のとおり回答がありましたので掲載いたします。
萩生田光一事務所
担当:牛久保
以下、ご回答になります。
質問1について
まず、私は文部科学大臣を務めた間、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充(予算拡充)を進めてまいりました。
ご参考(文科大臣在任中(R元年~令和2年)に関わったSC等活用事業)
R2年度約49億円(+2億)重点配置校数(2,900校 +1,500校)
R3年度約53億円(+4億)重点配置校数(3,600校 +700校)
R4年度約56億円(+3億)重点配置校数(5,400校 +1,800校)
※括弧は対前年度比
これは何より、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの皆さんを軽んじるどころか学校現場にとって不可欠な存在であると考えているからです。立場は変わりましたが自民党政調会長として引き続き努力してまいる所存です。
担当との議論や会議の中で、専門家の皆さん等から実態や学校・教育委員会からも更なる配置拡充のニーズが非常に高いことなどを詳しく伺ったことはもちろん、実際に学校で活躍しているスクールカウンセラーさんやスクールソーシャルワーカーさんから意見を伺ったこともございます。
質問2及び3について
様々な課題を抱える子供たちへの対応に当たり、心理の専門家であるスクールカウンセラーが児童生徒の悩みを傾聴し、適切な助言等を行う役割を担っており、その役割は益々重要となっていると承知しております。
SCなどの支援により、不登校傾向だった生徒が仲間と笑顔で卒業式を迎えることができた、自殺願望のあった生徒が、学校や専門医とも連携・支援することで、自殺願望が解消されたなど、効果的な支援に繋がった事例も伺っております。
学校や子供たちをめぐる環境は大変複雑化しています。だからこそ、学校にはこうした専門性を有するスクールカウンセラーなどの様々な専門家が必要です。その意味で多様な人材が学校の運営に参画する「チーム学校」を進めてまいりました。
ご質問部分に関しての回答は以上になりますが、その上で、いただきましたご質問状の前段部分に対して今回私が質問した趣旨をお伝えさせていただきます。
先日の予算委員会では心理や福祉などの専門知識を持った教師の必要性について質問をしました。極めて限られた質問時間だったので、言葉足らずの部分や言い回しの一部が誤解や不快な思いを招いたのであれば大変残念です。私の意図とは異なるご指摘もいただきましたので私の考えを説明させていただきたいと思います。
ご案内の通り、現在、学校現場では子供たちをめぐる多様で複雑な課題が生じており、心理や福祉などの専門家が必要不可欠です。国ではSCなどの専門人材の配置も進めているのですが、現実問題として拡充を進めてはおりますが各学校に常勤という形になるにはまだまだ時間がかかります。
そうした中、以前PTA関係者との懇談の際に「各学年にSC的なスキルを持った先生がいたら理想的」というようなご意見を伺ったことがあり、私も学校の先生の中にも子供たちの心理などの知識を身に付けている先生がいて、もし普段からいつでも相談にのることができるようになっていれば、定期的に訪問するカウンセラーさんなどの専門家の方と上手に連携することで、問題の芽を早期に把握し、もっとたくさんの課題の解決につなげることができるかもしれないと考えました。
もう少し詳しく説明すると、例えば、SCの拡充と学校現場での働き方改革を進めたうえで、既存の公認心理師等の資格より資格要件を緩和し、学校現場に特化したような新設の資格を先生方に取得してもらい、専門的な知識を有した先生が増えることによって、専門家であるSCさん達と連携してよりきめの細かい対応ができるのではないか?という思いがありました。
その上で、新卒は教職課程+大学院等で取得するとしても、すでに教職に就いている先生はどうするのか?実務経験の問題や資格手当の支給や、資格取得者に過度の負担がいかないような制度設計が必要ではないか?学内のトラブル等であえて外部の方に相談したい等々、ご指摘いただいた点も含め、運用面でいろいろな課題が考えられることも重々承知しております。
重ねてになりますが、現在様々な場面で日々奮闘されているSCなどの専門家の方を軽んじたり、学校の先生の負担を増やす意図は全くありません。少しでも学校環境を良くしたいという思いからの質問であり、私の言い回しで不快な思いをされた方にはお詫び申し上げます。
最後に、私は様々な機会に「資源に乏しい我が国は世界を相手に人で勝負しなければならず、数少ない子ども達のために余りにもお金を使わなさ過ぎた日本を変えていかなければならない」と申し上げてまいりました。
先生方の負担軽減やSCの不安定雇用の解消なども重要な課題ですが、最も大切なことは子ども達にとって何が一番良いのかという視点だと考えております。そのためにも、引き続き様々なご意見を拝聴し、議論を重ね、努力してまいりますのでご理解、ご協力いただければありがたいです。