東京都スクールカウンセラー
第二回労働実態調査報告
心理職ユニオンは、2021年9月~10月に東京都スクールカウンセラー労働実態調査を行いました。今回のアンケートは、前回の調査から3年半近くが経過したこと、また2023年度末に東京都スクールカウンセラーが大量に雇い止めされるという大きな出来事が起きたことから、東京都SCの意識や専門性についての考え方を中心に再びアンケート調査を実施しました。(2025年1月8日から2025年1月31日にかけて実施)
今回の調査では、615通の回答を得ることができました。ご協力いただいた皆様に感謝いたします。調査結果をもとに東京都SCがより働きやすく専門性を十分に発揮できる環境とするために、東京都に改善を求めてい来ます。
目次
調査の概要
1調査の目的
2調査期間
3方法
4調査対象
5調査内容
結果の概要
1 基本属性
(1)性別
(2)年齢
(3)取得資格
(4)資格取得後の臨床経験年数
(5)都SCの臨床経験
(6)現在の都SCとしての勤務校数
(7)都SC以外の兼業の有無
(8)兼業先の数
(9)兼業の領域
2 都SC同士の引き継ぎについて
(1)前任都SCからの引き継ぎの有無
(2)これまで経験した引き継ぎの方法について
(3)引き継ぎが行われたタイミング
(4)引き継ぎがなかった場合の情報の把握方法
(5)前任都SCから後任SCへの引き継ぎは業務上、どの程度重要か
(6)SC同士の引き継ぎの重要性について
(7)望ましい都SCの引き継ぎの形態について
(8)東京都の浜佳葉子教育庁が答弁した引き継ぎの仕組みが整備されているか
3 スクールカウンセラーの専門性について
4 次年度の配置校通知の時期について
(1)例年の次年度の配置校通知のタイミングについて
(2)次年度の配置がわからないまま最終勤務を終えることについて
(3)次年度の配置が分からないまま最終勤務を終える弊害について
(4)次年度配置の通知はいつ頃に都SCの手元に届くことが望ましいか
5 都SCの雇止め問題と雇用形態について
(1)2024年度の都SC採用にあたり、大量雇止めがあったことを知っているか
(2)都SCの雇止めに関する自由記述のまとめ
(3)都SCは会計年度任用職員として雇用されることが適切か
(4)都SCの不安定雇用によって引き起こされる懸念
6 アンケート最終ページの自由記述
7 公認心理師・臨床心理士の比較検討
8 都SCの現状と改善に向けてのポイント(アンケート結果考察)
1【引継ぎと配置校通知の時期について】
(1)引継ぎの現状について
(2)配置校通知の時期について
(3)年度の節目を安定的につなぐために
2【専門性について】
(1)引継ぎの現状について
(2)配置校通知の時期について
3【雇用の安定化(会計年度任用職員の問題の改善)】
(1)雇止めの情緒的影響について
(2)都SCの評価について
(3)専門職の評価基準について
4【雇用の在り方と専門性について】
(1)望まれる雇用の安定化
(2)雇用の在り方と専門性の関係
5【現場のSCの声を今後のスクールカウンセラー活用事業に反映する】
※掲載している自由記述については、個人が特定されないように若干の編集を加えていますが、
趣旨や内容等を変えたものではありません。
調査の概要
結果の概要
1 アンケートに回答した都SCの基本属性
(1)性別
都SCの性別は女性が78%、男性が22%であり、前回調査時の結果と比較しても、男女の割合はほぼ変わっていない。
図1 都SCの性別

表1 性別の割合の比較

(2)年齢
20~29歳が3%、30~34歳が9%、35~39歳が13%、40~44歳が15%、45~49歳が14%、50~54歳が15%、55~59歳が11%、60~64歳が11%、65歳以上が9%であった。40代から50代前半の回答者が多かった。
図2 都SCの年齢

前回調査時の結果と比較すると、主に30代と40代後半は2024年調査では大幅減少。50–54歳、60–64歳、65歳以上は2024年に明確に増加している。年齢層全体の構成が高齢化傾向にある。
図3 年齢分布の比較

表2 年齢分布の比較

(3) 資格取得
臨床心理士」および「公認心理師」の両方を持つ人が大多数である。
回答者のうち約2割が教職免許も併せ持つ。
図4 取得資格

(4) 臨床心理士・公認心理師資格を取得後の臨床経験年数
(都SC以外も含む)
1年未満が3%、1〜5年未満が18%、5〜10年未満が21%、10〜15年未満が22%、15〜20年未満が17%、20〜25年未満が12%、25〜30年未満が4%、30〜35年未満が1%、35〜40年未満が1%となっている。2021年度の結果と比較すると、10~15年の割合が大きく減少し、1~5年未満の割合が増えている。
図5 資格取得後の臨床経験 年数

表3 資格取得後の経験年数比較

(5)都SCの臨床経験
1年未満が23%、1〜5年未満が16%、5〜10年未満が24%、10〜15年未満が22%、 15〜20年未満が9%、20〜25年未満が6%、25〜30年未満が1パーセントであった。
前回の調査結果と比較すると、1年未満の割合が大きく上昇し、新規参入者が急増。次に10–15年未満の層が増加傾向にある。
1-5年未満、5–10年未満の層は大きく減少、。長期経験層(20年以上)は微増~横ばいである。新しい人材の流入が目立つ一方、中堅層(5-10年未満)の比率が減り、ベテラン層が横ばい・微増となっており、雇止めの影響が疑われる。
図7 都SCの臨床経験

表4 都SC臨床経験年数 割合比較

図8 都SC臨床経験年数 割合比較

(6)
現在の都SCとしての勤務校数
1校勤務が67%、2校勤務が20%、3校勤務が13%、となっている。
図9 都SC勤務校数

1校勤務が67%、2校勤務が20%、3校勤務が13%、となっている。
図10 都SC勤務校数比較
